2020年の秋
近江八景を行く(2)瀬田夕照(せきしょう)その3
跡地今昔 2020年11月28日 午前10時 瀬田唐橋を訪問した。曇り空
大津市内の湖岸道路を南下し近江大橋西詰から粟津の大津なぎさ公園前を経て国道の東海道を横切り唐橋西詰の交差点に至り、左折して瀬田川の橋の袂にある僅かな空き地に車を止めた。瀬田の唐橋である。場所は県道2号大津能登川長浜線の起点として瀬田川を跨ぐ橋元であるため終始車の量が多く、周辺に駐車出来る公共スペースは全く無い。車の流れにそって通過するしか仕方がないかと思ったが幸いにも中洲にある閉鎖中の画廊の前が空いていた。咄嗟の判断で車を乗り入れ一時停車をしてもらって暫時下車し、唐橋を歩行見学することにした。
一時停車した場所にあった唐橋由緒版 瀬田唐橋・明治大正期の近江八景絵葉書
瀬田唐橋の場所
下の地図中央、瀬田川の中洲を跨ぐ橋がその昔長橋と呼ばれた瀬田の唐橋である。現在、瀬田川上流側に東海道の瀬田川大橋とJR東海道線鉄橋が架けられ、下流側に東海道新幹線と名神高速道路が通っている。唐橋はその中間の交通要路に位置している。嘗て唐橋(長橋)が瀬田川渡河の中心地であった事を思うと時代の移り変わりを痛感する。
側に
現在の唐橋周辺立体図
中洲の木立の上に見える空き地に車を停めて写真を撮った。
現在の瀬田の唐橋
西詰中洲の位置から東詰方向を写す。 東詰近くの歩道から瀬田川上流を写す。
唐橋東詰に移動、標識と広重の浮世絵案内板を観る。
現在の唐橋は両側に歩道を伴った上下2車線づつのコンクリート橋で西詰・東詰はそれぞれ交差点で信号が付いている。信号が変わるたびにひっきりなしに自動車が疾走する交通要路で四六時中欄干に佇んで景観を愛でる雰囲気は失せている。まして夕照の情景に出会うのは大変難しいと実感しながら東詰まで歩き、信号待ちした後に下流側の袂に移動した。瀬田川下流に添った道路は夕照道路と名付けられ石山の南まで続いているが、川岸の僅かな空き地に遊歩路があり、景勝地〈瀬田の唐橋〉の石標が建っていた。
生憎の雨上がりで写真は派出ないが近江八景瀬田唐橋訪問の記念として下に掲示した。右側の額絵は広重の近江八景・瀬田夕照浮世絵(魚栄版)の写真で橋の袂近くに掲出されていた。