2021-01-01から1年間の記事一覧

2020年の秋

近江八景を行く(3)石山秋月 その2 浮世絵と近代の絵姿 石山秋月は近江八景の中でも抜群の知名度があり、画題として秀でた存在である。それだけに多くの絵画が残されているが、近世以降ではやはり歌川広重の作品が最も親しまれている。 下は天保5年(1…

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近江八景を行く(3)石山秋月 その1 跡地今昔 2020年11月28日午前11時過ぎ 石山寺を訪問 曇り空 次の情景は石山秋月である。近江八景では一番南に位置するため最初に並べられる場合も多く、私も従来はこの順に従っていた。今回は東湖岸からのス…

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近江八景を行く(2)瀬田夕照(せきしょう)その3 跡地今昔 2020年11月28日 午前10時 瀬田唐橋を訪問した。曇り空 大津市内の湖岸道路を南下し近江大橋西詰から粟津の大津なぎさ公園前を経て国道の東海道を横切り唐橋西詰の交差点に至り、左折し…

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近江八景を行く(2)瀬田夕照(せきしょう)その2 本家「夕照」と琵琶湖の夕照 13世紀に中国の画家牧谿が描いた瀟湘八景の内で「夕照」の絵は幸いにも現存する。 現物は国宝で根津美術館に保存収蔵されており、ネット上でも観ることが出来る。2012年…

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近江八景を行く(2)瀬田夕照〈せきしょう〉その1 琵琶湖の東岸矢橋湊の帰帆に始めた近江八景の跡地巡り第2景は「瀬田夕照」である。題名は❝夕照❞であるが❝唐橋❞をイメージすることの多い景観である。 近衛信伊の和歌に詠われた〝長はし〟は現存しないが、…

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近江八景を行く(1)矢橋帰帆その4 参考・草津宿と矢橋湊 矢橋帰帆の跡地は現在は草津市に属しているが、嘗ては矢橋(やばせ)村で江戸時代東海道・中山道の合流宿場町草津宿に付随した湊町であった。草津宿とは1里8丁の矢橋街道で結ばれ矢橋湊を中心に町…

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近江八景を行く(1)矢橋帰帆・その3 跡地今昔 2020年11月28日(土)午後2時、矢橋帰帆跡地を訪問した。 市道脇矢橋公園に近江八景・矢橋帰帆の標識板を見付け、大回りして集落内の道を辿り公園外周地区に到着した。下の写真が湖岸の道路に向かっ…

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近江八景を行く(1)矢橋帰帆・その2 矢橋帰帆が選定された事情考察 近江八景の内で矢橋帰帆のみが琵琶湖の東岸に位置している。近衛信伊が八景選定に際して帰帆の風景を念頭に対象地を検討した事は想像に難くないところであるが、近江八景が中国伝来の瀟湘…

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近江八景を行く(1)矢橋帰帆その1 近江八景は琵琶湖の南端両岸から石山寺にかけて点在する。八景表示の順序は古来幾通りも継承されており、特定の決まりは存在しない。私は従来から地図上の南から順次北上する形で八景を観察してきたが、今回の訪問では大…